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おじさまと咲姫
第20章 動揺
「大変だね」
咲姫が本音を漏らせば、並んで歩く悠眞の肩が揺れ、傾いた傘から大きな雨粒が転がり落ちた。
「サラリーマンなら特別なんの不思議もない、休日の一コマだ」
そんな会話を交わしていれば、程なく家の玄関前まで到着した。
ポケットから取り出した鍵でドアを開け、玄関から廊下に足を踏み入れた悠眞は、背後にあるべき気配を感じず、後ろを振り返った。
「まさか今更遠慮してるとかじゃないだろうな?」
靴も脱がず玄関に佇んだままの咲姫に、面白そうに口角を上げた。
「勝手知ったる他人の家…だろ?」
「…そう、だけど」
「散らかってるけど-」
-どうぞ入って?
ふざけた口調の悠眞に-それでも、咲姫は迷ってしまう。
「咲姫?」
流石に不審に思い問い質そうとして-悠眞は思い当たる。
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