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おじさまと咲姫
第20章 動揺
悠眞の、匂い。
さほど悪いものでもない-そう思えてくるから不思議だった。
並んで入った傘。
抱き締められた時と同じ、微かな香水の香り-。
ぼんやりしていた咲姫と悠眞の視線が繋がった。
煙草を咥えた彼が、いつの間にかこちらを窺っていた。
私、何を考えているんだろ-自分自身がとてつもなく恥ずかしく思えてくる。
赤くなりながら慌てふためく咲姫に、悠眞は首を傾げる。
「お前って時々変だよな」
もう一度首を捻り、悠眞は灰皿に灰を落とした。
咲姫は何も言えない-確かに、今の自分はおかしいかもしれなかった。
「まあ、見てて飽きないからいいけどよ」
悠眞はひとり納得し、白煙を頭上の換気扇に向けて放った。
褒められてる-わけではないだろうけど。
貶されてるわけでもなさそうで、とりあえず咲姫は安堵する。
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