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おじさまと咲姫
第20章 動揺
互いの視線が絡み合い-そこでようやく悠眞は後悔する。
今しも泣き出しそうな咲姫の揺れる瞳に。
自分かもしれない-思いながらも、直接は訊けない。
確実に分かるのは-これ以上の刺激は、惨事をもたらすだろうと言う事。
「…いきなり帰るってなんだよ。来たばっかだろ」
先程までとは異なる穏やかな口調で、悠眞は諭すように語りかける。
「…用事を思い出した」
最高に危うい表情でそっぽを向く咲姫に、悠眞は内心嘆息する。
そんなのが偽りなくらいすぐに分かったが-仕方がない。
「なら、車で送って行くよ」
しかし。
そんな悠眞の胸中などお構いなしに、咲姫は彼の言葉を無情にも切り捨てる。
「平気。少し待てばバスあるし。なんなら別に歩いて帰ったって-」
-いい。
全てを言う事は適わなかった。
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