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おじさまと咲姫
第20章 動揺
ああ、まただ。
どうして私、胸がこんなにも塞がれる思いをしてるんだろう-。
重たい溜め息を吐けば、悠眞が腰を上げた。
見れば、背広やスマートフォン、それに煙草を手にしている。
「着替えてくる」
-あと、煙草。
笑い、悠眞はリビングの扉に向かう。
「食ってろよ。送って行くから」
皿に残されたままのケーキを指摘され、咲姫は頷く。
窓にぶつかる小さな雨音が聞こえるだけの室内。
一人残された咲姫は、限定ケーキを口にする。
さっきは感動するくらい美味だったのに-今は何故だか砂を噛むようだった。
この自分が食べ物を美味しく感じないだなんて-余計な事を頭の中から全て追い出し、咲姫はケーキを完食する事だけに集中する。
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