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おじさまと咲姫
第21章 失意
何かはあったけど-本当の事は言えなかった。
そもそも確証がない。
全部自分の中だけの想像で。
だから少なくとも-今は、言えなかった。
「…季節の限定ケーキが買えなくて」
咲姫の告白に、瑠璃子は目を丸くした。
「前の日から気合入れてたのに寝坊しちゃって。お昼過ぎに行ったら、もう完売してた。食べる気満々だったから…悔しくて」
「そんな事で落ち込んでたの、あんた?」
瑠璃子は開いた口が塞がらない。
「だって。瑠璃だって分かるでしょ、あそこのケーキ買うのがどんなに大変か」
心の中でごめんと謝りながら、この話題に食いついたくれた友達に話を合わせる。
「そりゃ、そうだけどさあ-」
-食べ物に執念燃やし過ぎだよ、あんた。
呆れ返る瑠璃子に、咲姫は拗ねてみせる。
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