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おじさまと咲姫
第21章 失意
「先輩、私…!」
どこか入れる教室を探してる風情の彼に、咲姫は焦る。
『どこに行っても話せない』-そう伝えた。
手を繋がれたままだと、彼の進む場所へ自分も必然的流れしまう。
そろそろこの手を-咲姫が頼むのと同時くらいに、昴が別の教室のドアを開けた。
今度は-誰もいなかった。
導かれるように中へ入るしか、選択肢はなかった。
ようやく手を離され、昴は扉を完全に閉じた。
「円城寺とユウさんの間に何があったのかは、無理には訊こうとは思わないけれど。多分、何か良くない事が起きたのは、円城寺の様子を見てれば分かる。願ったり叶ったりだって思うのに。自分に形勢が傾いてきてるかもしれないのに…素直に喜べない自分がいる」
-なんなんだろうな。
振り向いた昴は、困ったように笑った。
「考えて…思い当たった。ああ、円城寺が辛そうだから、俺は喜べないんだなって。円城寺が悩んでるのに、それを良かったなんて俺はやっぱり思えない」
-好きな彼女が笑ってないのに、自分だけ喜ぶなんて。
視線を落とした彼を、咲姫は見守るように見続けるしかない。
どこか入れる教室を探してる風情の彼に、咲姫は焦る。
『どこに行っても話せない』-そう伝えた。
手を繋がれたままだと、彼の進む場所へ自分も必然的流れしまう。
そろそろこの手を-咲姫が頼むのと同時くらいに、昴が別の教室のドアを開けた。
今度は-誰もいなかった。
導かれるように中へ入るしか、選択肢はなかった。
ようやく手を離され、昴は扉を完全に閉じた。
「円城寺とユウさんの間に何があったのかは、無理には訊こうとは思わないけれど。多分、何か良くない事が起きたのは、円城寺の様子を見てれば分かる。願ったり叶ったりだって思うのに。自分に形勢が傾いてきてるかもしれないのに…素直に喜べない自分がいる」
-なんなんだろうな。
振り向いた昴は、困ったように笑った。
「考えて…思い当たった。ああ、円城寺が辛そうだから、俺は喜べないんだなって。円城寺が悩んでるのに、それを良かったなんて俺はやっぱり思えない」
-好きな彼女が笑ってないのに、自分だけ喜ぶなんて。
視線を落とした彼を、咲姫は見守るように見続けるしかない。

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