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おじさまと咲姫
第26章 永遠
あの事故の折。
前髪に隠れたそこに、彼もまた怪我を負った。
十三年経った今でも忘れられない-額から流れる鮮血。
左頬を伝い、首筋まで伝う赤い、赤い筋-。
事故直後の記憶では、それは大量に流れ。
それは大きく痛々しく見えていた。
だが実際は-彼は数日検査入院しただけで、すぐに退院する事が出来た。
それでも当然心配で、自分も退院後すぐに額の傷を見せてもらったのだが-その時には傷痕すら既になかった。
興奮していたし。
まだ幼かったのもあるし。
何より震えあがるほどの出来事に、脳が必要以上に酷く記憶していただけのようだった。
心の底から安堵したのを覚えてる。
でも身を挺して自分を守ってくれたのは事実で。
怪我をしたのも本当で。
自分だってきっと恐怖に足が竦んだに違いないのに-命をかけて、守ってくれた。
未だに事故を思い出す度に、涙が滲む。
そしてその感謝の思いは、勿論一生続く。
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