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おじさまと咲姫
第7章 約束
「ほんと?なら、今日観ようよ。上演時間が十一時ちょうどのがあったんだけど、それでいいかな?お昼はそれからになるから、ちょっと遅くなってしまうけど」
「うん。大丈夫」
咲姫が同意すれば、昴は彼女を促し、歩いて十分程の映画館が入ったビルまで歩き出す。
ゴールデンウィーク最終日のショップが連なる通りを、並んでゆっくりと進む。
それでも、隣りを歩く咲姫が時折、人の波に呑まれそうになる。
その都度すぐに、彼女は追いついてくれるのだけれども。
昴は内心、気が気でない。
触れそうで触れ合えないその手を、握りたい衝動に駆られる。
手を繋いでいたのなら、こんなにまではらはらせずに済むのに。
絶対見失わずに済むのに。
いつでも絶対、隣りにいられるのに。
「お昼、何食べたい?円城寺の好きなものでいいよ」
でも結局、手なんか繋げるはずもなく。
細心の注意を払うぐらいしか適わず、昴は咲姫に問いかける。
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