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おじさまと咲姫
第28章 方法
電車の中からだったので、正しくはなんて言っていたのかは分からない。
だが大方は察しがつく。
『頑張れ』とか。
『次の約束もしちゃいなよ』とか。
『今からふたりでどこかに行っちゃえば?』とか?
きっとそういう類の事だ。
本人隣りにいるのに指まで差して、ほんとそういう事言ってこないで欲しい。
帰ったらラインで文句言ってやるんだから-咲姫が密かに憤慨していれば、少し遠慮がちな昴の声がした。
「円城寺、今日は突然ごめんな。朝霧と行くはずだったのに、俺までいつの間にか一緒になっちゃってさ」
「北城先輩が謝らないで下さい。明日もテストだったのに、瑠璃子がいきなり誘ってしまって。こっちこそ申し訳なかったです」
咲姫がフォローすれば、昴は破顔した。
「全然。明日のは割と余裕のやつだし。気分転換にもなって、迷惑どころかすげぇ楽しかったよ」
その笑顔にいつもの事ながら、胸が大きく波打つ。
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