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おじさまと咲姫
第30章 無駄
そんな昴がおかしくて仕方がない瑠璃子は、お腹を抱えて笑い出す。
「朝霧っ。だから仮にも先輩をからかうなってばっ」
彼にしては珍しく。
その言葉には少なくない怒気が含まれていた。
しかし瑠璃子の笑い声は止む事はなく-その場にしゃがみ込み爆笑し続ける彼女に、昴はほとほと参ってしまう。
暫くは笑い転げるであろう瑠璃子を抑える事は潔く諦め。
昴は咲姫を、真っ直ぐに見た。
「ほんとそういうんじゃないから…円城寺、信じてよ」
未だ赤みの残る顔で、困り果てながらも昴は訴えてくる。
真摯な双眸に、咲姫はなんと言ったらいいのか返答に苦しむ。
第一。
そういう目を向けられたのは親友であって、自分ではないのだ。
そういう目を向けられた張本人は怒るどころか、寧ろ笑い飛ばしてて。
そういう目を向けられたわけじゃない自分が、どうこう思ったり言ったりする必要はないのかもしれない。
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