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おじさまと咲姫
第30章 無駄
「…そ、でしたね」
やっぱりこれは自分に向けられてる言葉なのか。
自分を励ます為に言ってくれてるのだろうか。
かあっと。
頬に紅を乗せ、咲姫は俯くしかない。
言った張本人も恥ずかしさに襲われ、真夏の太陽が照りつける中、互いに沈黙するしかない。
あまりにじろじろ見て、またいらぬ誤解を受けたくない。
十分警戒しつつ、砂浜に視線を落とす咲姫を昴はそっと、盗み見する。
さっきはつい、彼女の友達に気を取られてしまったけど。
それは言い訳出来ないけれど-。
「…反則だろ」
ぼそりと呟かれた昴のそれは、しかし咲姫の耳に届くものではなかった。
「先輩…?」
咲姫は面を上げ、小首を傾げた。
その何気ない仕草が、更に昴を掻き立てる。
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