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おじさまと咲姫
第30章 無駄
「その時の傷痕なんです。やっぱ気になってましたよね」
「あ、いや…」
まさかこんな経緯があるとは思わず、昴は怯んでしまう。
そんな彼に笑い、咲姫は続ける。
「右足を少し引きずるように歩くのも、その時の後遺症で。でもちょっと他人と違うだけで、歩くのも走るのも今の私には何の支障もない。海で泳ぐのなんかは大得意なくらい」
-泳ぎに行きましょう、北城先輩。
青く光る海を咲姫に目線で示され、昴は自然と頷いていた。
砂浜を進みかけ、そこで咲姫はようやく気付く。
「先輩、まだ着替えてなかったですね」
頭から爪先まで確認した咲姫に言われ、同意したもののまだ着替えが済んでいなかった事に昴は思い当たる。
「あ、そっか…」
後輩達の面倒を色々見たり、これからの予定を確認したりの雑務を熟していたら、自分の事は後回しになっていたのだ。
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