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おじさまと咲姫
第31章 限界
「相変わらずお菓子作りの腕は確かだよねぇ」
感心され、咲姫は嬉しくなる。
「ほんと?」
差し入れようと昨夜いくつか頑張って焼き、家から持参してきたものだったのだ。
「うん。肉ばっか食べた後だからな、いつもより余計に美味しく感じる」
咀嚼する親友の口元が、やがて悪く歪む。
「これは先輩の胃袋もばっちり掴める味だな」
「だーかーらー。なんでもかんでも、すぐに先輩に結び付けないでくれる?」
いい加減うんざりして、咲姫は小声で窘める。
少し離れた場所で、後輩たちに囲まれて楽しそうにしている彼に聞こえてはならないと、咲姫は様子を窺いつつ続ける。
「別に北城先輩の為だけに作ってきたわけじゃないし。みんなに食後のデザートにでも食べてもらえたらなあって」
「だってさあ。私はあんたの手作りクッキーも、ケーキも、もう何度も大学で食べたことあるけどさ。こういうサークルの集まりに持って来たのは初めてじゃない?」
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