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おじさまと咲姫
第31章 限界
「第一、北城先輩、甘い物好きかどうかも分からないし。食べないかもよ」
自然を装って昴を確認するが、目の前に置いて来た皿のブラウニーに手を伸ばす気配はない。
食べ物の好みの話題に今までなった事はなかったし。
今回の差し入れは当然、彼の好みを訊いて作ってきたのでもない。
何度も言うが彼だけでなく、日頃お世話になってるサークルのみんなに食べて欲しくて準備してきたのだ-無論、その中に彼も含まれてはいるが。
歓談の輪のいくつかに、切り分けたブラウニーの皿を置いては来たが-それを食べてくれるかは、また別の話だ。
誰に頼まれたわけじゃなく、自己満足で作ってきた物だ。
苦手なひとも多分いるだろう。
強要なんてしない-彼に限らず、食べたいひとが食べてくれればそれでいい。
「冷たいなあ。北城先輩、まだあんたの事好きで堪んない感じなのにさあ」
-ちょっとは優しくしてあげなよ。
瑠璃子が少々責めるように言ってくるものだから、咲姫はむきになる。
「冷たくなんかしてないよ。みんなと同じように普通に話して、普通に接してるじゃん」
-ただ、そういうお付き合いは出来ないって断っただけで。
咲姫が付け足せば、瑠璃子は正にそれに反応してくる。
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