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おじさまと咲姫
第31章 限界
不意に昴の歩みが止まり、手を繋がれたままの咲姫の足も停止せざるを得ない。
「せんぱい…?」
昴の様子を窺うべく、覗き込もうとすれば-なんの前触れもなく、身体を掻き抱かれた。
抗う間などなかった。
状況を理解出来た時には、既に彼の腕に収まった後だった。
「…できない」
小さな小さな声で呟かれ、昴の腕の中で咲姫は耳を研ぎ澄ます。
「今日は我慢出来ねぇよ、円城寺」
呻くように告げられて。
早鐘のような心臓を堪えながら、咲姫は訊き返す。
「がまん…て」
-なにを?
咲姫の質問に、昴は乾いた笑いを漏らした。
なにを?
なんの悪びれもなく尋ねてくる彼女に、軽い苛立ちを感じた。
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