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おじさまと咲姫
第32章 意表
「お袋に最高級の肉を買い占めて来いって言ってあるから、残さず全部食って行けよ」
「うん。全部食べてく」
真剣に答える咲姫に、悠眞は吹き出した。
いつまでも心配してるのは自分だけで。
そんな気遣いは今の彼女には大して必要ではなく。
心を揉む自分の方こそ、実はいつも彼女に救われてる事実-悠眞は気付き始めていた。
「あいつ…悠聖も、いない時は全然いないくせに、今日に限って仕事終わって真っ直ぐ家に帰って来るとか…タイミングいんだか悪いんだか分かんねぇよな」
悪態をつく悠眞に、咲姫は苦笑する。
「タイミングはいんじゃない?私が久々にご飯をご馳走になる日に、帰って来るんだから」
「ラインしたら『咲姫が来てるんだったら、絶対残業しないで帰って来る』って速攻送って寄越してきたぞ」
鼻を鳴らす悠眞に、咲姫は声を立てて笑った。
強がりなんかじゃなく極自然に楽しそうな咲姫に目を細め、悠眞は今日会った時から密かに思ってた事を口にする。
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