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おじさまと咲姫
第35章 未練
『いきなり夜遅くに電話してごめんな』
-今、少し話しても大丈夫?
壁掛け時計は、九時前だった。
遅いと言えば遅いかもしれないが-寝るにはまだ早い。
そもそも今は夏休み中であり、彼女にとってはまだ迷惑な時間帯ではなかった。
昴の恐る恐るの問いかけを、咲姫は受け入れた。
「ちょうどお風呂から上がってきたところだったんで、大丈夫です」
『そう?…あ、もしかして、これから髪乾かそうとかしてた?』
「…まあ」
遠慮がちに真実を伝えれば、昴は申し訳なさそうに言った。
『ごめん。なるべく手短に話すから』
「…はい」
いつもは文字で済むものが、何故今夜はわざわざ電話を選んだのだろう。
『何を手短に話すのか』咲姫は緊張しながら、彼の次の言葉を待つ。
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