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おじさまと咲姫
第35章 未練
『何時まで?』
更に深く質問され、嘘を吐くわけにもいかなかった。
「…夕方までです」
『なら、それからでいい。もしも他の用事がまだあると言うのなら、一時間でも構わないから』
-俺に付き合って、円城寺。
決して不快な強引さではなかったけれど-拒否が不可能なくらいには彼女を縛り。
昴はスマートフォン越しに、咲姫を求めた。
『円城寺に会いたい』
耳元で囁かれ。
自分を欲しがるその低く、甘い声が、咲姫の思考を惑わせ始める。
『努力はした。でもどうしても無理だって、あの旅行で思い知らされた。結局約束を破る事になって、それは申し訳ないとほんとに思っているけど』
僅かの沈黙を経て、昴は言い放った。
『どんなに詰られても、もうこの想いは消せない』
-俺は、円城寺が好きだ。
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