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おじさまと咲姫
第36章 機会
「それ、円城寺が気になってた飲み物だろ。味が薄くなったら美味しくなくなるよ?」
促され。
もっともだと思い-恥ずかしさも一時忘れ、咲姫はグラスにストローに差した。
咲姫がアイスティーをひと口含んだのを見計らい、昴は何気なさを装い呟いた。
「残念ながら未遂だったけどね」
その刺激的な一言に、咲姫は飲みかけの紅茶を吹きそうになる。
噎せる寸前でどうにか飲み込み、胸を軽く数度叩く。
「ごめん」
-大丈夫だった?
想像以上に焦った咲姫に、昴は罪悪感を覚えて慌てて謝る。
「…なんとか」
咲姫が答えれば昴はようやく安堵し、自身もコーヒーを飲んだ。
なんとか平常心を取り戻し、咲姫もまたストローに口をつける。
先程はそんな余裕もなかったが-その美味しさをゆっくり味わえば、程なく表情が明るくなる。
美味しい-咲姫の嬉しそうな様子に、昴もつられ笑みが零れた。
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