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おじさまと咲姫
第38章 目撃
呆気にとられる咲姫に向けて、昴は本を差し出した。
『はい、円城寺』
自分の身長は女子の平均よりも少し高い。
だから今だって、なんのも問題もなく取れたはずだった。
でもそんな自分よりも彼は更に背が高い。
極々自然に、自分よりも早く、本棚から本を抜き取ってしまった。
『その小説、円城寺もお気に入り?』
-俺もすげぇ好きだよ。
爽やかな笑みと共に手渡された。
それからその付近の面白そうな小説を探し始めた昴の横顔に、胸がどうしたって高鳴ってしまった。
自分で取れたし。
『取って欲しい』とも頼まなかったのに。
さり気なく、本に手を伸ばしてくれた。
当たり前のように。
押し付けがましくなく。
普段そんな事滅多にされないだけに-驚いた。
そして、だからこそ余計に嬉しかった。
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