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おじさまと咲姫
第38章 目撃
「じゃあ、円城寺。先に帰ってごめんな」
申し訳なさそうに言われ、咲姫は頭(かぶり)を振る。
到着した電車は、彼が乗る方向のものだった。
『見送りたいから、自分は一本遅らせて帰るよ』-最初はそう言われていたのだが、丁寧に断った。
夕方は過ぎてるとは言え、まだまだ外は明るい。
自分が乗る電車も数分後にはやって来る。
その気持ちだけを、大変ありがたく受け取らせてもらった。
「帰ったらラインするから」
-今日もすげぇ楽しかったよ、円城寺。
言い残し。
名残惜しそうに、昴は電車に乗り込んだ。
やがてその電車が小さくなるまで見送った後。
咲姫は自分が乗る電車が到着するホームまで、移動を始める。
ひとつ向こうのホームまで行く必要があったのだ。
エレベーター使って一旦上がり切ったところで-目の前を横切った人物に釘付けとなる。
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