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おじさまと咲姫
第43章 最初
「どこか誰もいない教室でもあればいいんだけど」
呟いて、昴は歩き出す。
そんな彼の数歩後を追うように、咲姫もまた足を踏み出した。
暫く歩き、適当に入った小さな教室には運良く誰もいなかった。
勿論、カフェテリアや食堂でも構わなかったのだが-可能なら静かな場所で話をしたかったので、ありがたく使わせてもらう事にする。
入り口近くの椅子に並んで腰を下ろし、昴は思い切って口を開いた。
「円城寺…怒ってる?」
開口一番おずおずと問われ、今まで我慢していたものが一気に噴出する。
ふたりだけの空間とは言え、鍵をかけてるわけじゃない。
いつ他の誰かが入室してくるか定かじゃない、大学の教室。
しかし今の彼女はそんな事も忘れ、大声を出してしまう。
「お、怒ってるって…なんでそんな事わざわざ訊いてくるんですか?」
「いや…なんでって」
想像以上の咲姫の剣幕に、昴はたじろいでしまう。
なんて言ったら良いのか考えあぐねていると、続けざまに詰られる。
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