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おじさまと咲姫
第43章 最初
「私は先輩に合わせるので、時間決まったら後でライン下さい」
-じゃあ、ご飯食べないと。
午後の講義まで、あまり時間がなくなっていた。
食堂に行くべく、咲姫は椅子から立ち上った。
扉に手をかけた彼女の後ろ姿を、昴は急いで引き止めた。
「円城寺!」
咲姫の背中に、昴はなけなしの勇気を振り絞る。
「映画に行くだけじゃないの…?」
「…」
「ご飯とか…その、他の場所にって」
-まるで、少し前までの自分達となんら変わりない。
喉まで出かかるが、昴はその言葉は辛うじて呑み込んだ。
何度恥を掻いたら気が済むのだろう。
最後に一度だけ、情けをかけてもらっただけだろうに。
分かっているのに、この期に及んでも期待してしまう自分-愚か過ぎる。
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