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おじさまと咲姫
第44章 彼氏
どちらから食べよう-心の中でほんの僅か悩んだ後(のち)、ダージリンを掬ったところで気付く。
「あ、お金…!」
注文口が混んでた事もあり『買って来るから、座って待ってて』と言う彼の言葉に甘えていたのだが、まだジェラート代を渡してなかった事を思い出した。
お金も返してないのに、知らない顔で食べ始めてしまうところだった-恥ずかしくなりながら、咲姫はテーブルにカップを置いた。
「えっと…確か、ごひゃく」
鞄から取り出した財布を探っていれば、目の前の昴が断ってきた。
「いいよ。俺の奢り。そんなに高いものじゃないし」
「だめですよ。高いとか安いとか、そんなの関係ないです。自分の分はちゃんと払います」
咲姫はむきになる。
「この間もご馳走になったばかりだし。今日は自分で出すって最初から-」
咲姫が小銭を渡そうとすれば、少しだけ困ったような笑いを昴は浮かべた。
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