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おじさまと咲姫
第44章 彼氏
「好きな子にアイスくらい奢ってあげたいんだけど」
-だめかな?
『好きな子』に反応し、咲姫が動揺していれば、昴の笑みに影がかかった。
「あ、でもそしたら、次の約束は-」
-なくなっちゃうのかな?
独り言のように極小さく、呟く。
『日曜日の次に奢って欲しい』-今日それをやってしまったら。
もう会う口実はなくなってしまう?
今日で終わりになってしまう?
そんな嘘を吐くひとでは決してないけど。
でも『日曜の次の約束』までしてくれた意味が、まるで分からなかった。
許してくれるんだろうか。
許してくれたから、そんな事を言ってくれたんだろうか?
一番訊きたくて-でも、どうしても訊けずじまいの事。
ぼんやりと考え込んでいれば、ふと視線を感じた。
考え事をしながら、機械的に咀嚼していたに過ぎないジェラート。
スプーンを口から離し、昴はたじろいだ。
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