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おじさまと咲姫
第44章 彼氏
一瞬ぽかんとしていた咲姫だったが、やがて笑顔を見せた。
「嫌だったら最初から『食べますか』なんて訊きません」
「…うん」
「第一、これは先輩がお金を出して買ってくれたものです。食べていいに決まってます。…ってか、自分で買ってないくせに、買ってもらった張本人に『食べるか?』なんて、何言ってんだろ私」
-色々ごめんなさい。
咲姫がもう一度謝れば、昴は頭(かぶり)を振った。
「それは円城寺のだよ。円城寺に食べて欲しくて買ったんだ」
「…はい」
「でももしも、ひと口もらえるなら…食べてもいい?美味しそうだなって、実は秘かに思ってたんだ」
悪戯な子供のような表情を向けられて、咲姫は大きく頷いて破顔した。
「はい、勿論」
その彼女の微笑みに後押しされ。
机の上に差し出された咲姫のカップからジェラートを掬い取り、昴は一呼吸置いてから口へ含んだ。
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