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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第7章 遠藤の葛藤と甘い夜-
このままヌいてしまえは、どんなに楽な事か…
だが、何時2人が戻って来るか分からない今、それは出来ない。
『・・・くっっ……』
欲情と欲望を無理やり抑え込み、再生していたカメラを元に戻した。
その後、直ぐ美紀様の携帯のGPS発信を受信…
街中を蛇行しながら、屋敷に向かっているのを確認して、正面ゲートの開閉をタイミング良く操作。
その頃には、欲情の方は緊張感の方が優先され、収まっていた・・・
「・・・ふぅー」
また一息…
流れる煙草の煙りは私のよう…
どうすれば良いのか分からない私の心…
報われる日など来ないのを理解しているのに、諦め切れなくユラユラと動くこの心。
私の理性と自制心は、何処まで保つのだろう?
触れる事すら叶わない美紀様…
美紀様の方は、私の事を友達もしくは友人感覚で見ている節がある。
嫌われていないのは良い、何でも相談をしてくれるのも…
だが、確かにそこに1本の大きな線がある…
それを越えられるのは会長だけ。
会長も美紀様も、お互いがお互いしか見ていない、近親相姦という罪を背負ってでも、お2人は恋人である事を選んだ。
そんな会長に私が適う筈も無く、私は近く離れず美紀様を見ているしか……
「・・はぁ・・・」
またウィスキーを一口…
今夜は酔わなければ、眠れそうに無い、今頃会長と美紀様はと思うと、酒で誤魔化さなければ、どうにかなりそうだ。
短くなった煙草を消して、もう1本…
こう立て続けに吸うなんて事は無いから、軽くフラつくが構わない。
逆にフラつく頭が、過去を思い出させる。
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