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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第8章 NASAの敏腕女史2-勧誘は危険と隣合わせ



昨日から、紀永の事に関しては後ろ向きが多い…
だって、ああもはっきり立場の違いを見せられて、こうやって視野の違いを叩き付けられたら、多少後ろ向きになってしまう‥ぁたしの方が普通だと思うよ‥‥多分。



「そろそろ時間だね?」


「真面目に論文を眺めていたら、そんなに時間が経っていたのか…
こういう時の時間は早い」


端末を落として、購買で買ったアイスコーヒーを片手にぁたしの方に…
量が減っていないところを見ると、本当に集中してたんだ。



「後5分で、午後の講義が始まるから…」


「それから移動かい?」


「うん、此処からなら直ぐだから、時間には十分間に合うし…」


「さて、何が飛び出すか…
NASAには契約提携はしているが、クロエ・アンダーソン当人とは面識が無いから、話に聞いた程度で予測が付かないんだ」


「・・・
セミナーの時は、かなりムキになる‥そんな印象だったんだけど…
端末のやり取りだけだから、はっきりとは私も分からない」


「ムキになる‥ね…
これは本当に、合ってみないと分からなそうだ…
面倒事にならなければ良いが……」


「それは私も同感」


ぁたしが感じたのと、紀永が知っている彼女の噂、総合してみても、あまり良い感じは受けない。



「さて、行くかね…」


「うん…」


講義開始時間…
始まったのを確認して、紀永とぁたしは、講堂前の広場へと移動する。



「良かった、誰も居ない」


「小さな噴水があって、緑も多いし綺麗だね…
休憩スペース‥分かる気がする」


「リラックスする場所くらいは欲しいよ?
勉強畑だから」


「まあね…」


紀永は噴水に腰掛けて、ぁたしはその少し前に立ち、ただ時間を待つ…
向こうがやって来るのを待ちながら。


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