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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第8章 NASAの敏腕女史2-勧誘は危険と隣合わせ
他の俺達を起こして、オリバーという男は、倉庫から立ち去って行く…
一応、何事も無く済んだが、これは早めに手を打たないと駄目だろう。
「紀永っ!
血が出てる!!」
「ん?
ああ‥木の棒を受け止めたからね、多少は衝撃はあるだろう?」
「でもっ!!」
「大丈夫‥私の事より自分の心配、良いね美紀」
本当は、かなりの衝撃があった…
折れていなければ良いのだが、今此処で確かめると、美紀に余計な心配をさせてしまう。
「・・立てるかい?」
「なんとか・・・」
まだ震えている身体を何とか立たせ、倉庫の外へ…
どうやら、車は無事なようだ。
精神的に不安定な美紀では運転は難しく、右腕を庇いながら私が運転。
こういう時は、左ハンドルで良かったと思う…
あまり右を使わないで済む。
流石にスピードは出せないので、ゆっくり運転でペントハウスまで戻って来た。
「本当にこれで良いの?」
「折れていたら、この程度では済まないよ…
少し強い打ち身だね」
戻って直ぐに、右腕の手当て…
美紀に言った通り、強い打ち身‥普段鍛えているのが役に立ったよう。
湿布と包帯、それに氷にアイスノン…
この程度で十分、痛みはあるが……
「美紀の方は、もう大丈夫かい?」
「・・うん‥‥
軽いパニックだったみたい‥私‥‥
もう大丈夫だと思っていたのに……」
あれは、無意識の拒絶反応だったのか…
美紀すら気付いていなかった、男に対する恐怖感、それがあの状況で、表に浮き出てしまった。
「・・なかなか克服する事は難しい…
それだけの出来事だった、美紀が男性に不信感を持ち続けていたのも、仕方ない事‥だよ」
「・・うん……」
「無理に治せとは言わないし、そう簡単に克服出来るものでも無い…
まだ、ゆっくりと時間を掛けて馴れていけば良い‥誰も責めたりしないから」
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