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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第8章 NASAの敏腕女史2-勧誘は危険と隣合わせ



「・・・・・」


薬箱の中の痛み止めを探しながら、つい考えてしまう・・



「・・・私・・・」


あの、オリバーさんが敵意を持って近付いた時、感じたのは‥過去の恐怖感……


イタイ・ツライ・イヤ・チカヨラナイデ


思い出したのは、そこ事ばかりで…
紀永に話掛けられるまでの記憶が曖昧。


ただ、恐怖だけで本能的に、日本語で叫んでいたのは微かに記憶にあるけれど・・



「・・・・・」


薬を探していた手が止まってしまう・・


もう大丈夫だと思っていたのに…
なのに、ぁたしはまだ……


心の奥底にしまい込んだ、彼奴にボロボロにされた記憶…
縛り、鞭打ち・強制排泄・無理な絶頂‥そして暴力・・


彼奴自体はもう居ない…
紀永のあの連続的な攻撃に、彼奴はその日の内に姿を消した‥そしてぁたしは、今の彼奴の居場所も知らない、知りたくも無い。


紀永達は、定期的に追ってるようだけど、ぁたしは関わりたく無くて、その事に関して一切聞く事は無かった。



「・・・・・」


終わったのに…
もう、彼奴がぁたしに関わる事は無い……
だからもう大丈夫だと‥心の整理は付いたって、思い込んでいた。


普段、男の人に話掛けられたって、近付いたって普通に対応していると思う…
あまりに馴れ馴れしいのは嫌だけど、それは上手く逃げて……



「・・・私・・・」


本当にそう?


上手く逃げてる??


此処、米国の男性はフレンドリーなのが多い…
ぁたしはそれを、ことごとく避けていなかった??


意識してやっていた訳じゃ無いけど、何時もさり気なく逃げていたじゃない、気付かれないように……



「・・私‥あの頃のままだ・・」


薬箱を持ったまま、ソファーに座り込んでしまう。


変わったと思っていたのに、ぁたし全然変わっていないじゃない…
心は、18の‥彼奴にやられていた頃と全く……

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