この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第9章 Witch of the fingertip-指先の魔女-
「・・・
キャロライン、君よりあのお嬢さんの方が、余程世間を知っている…
かなり苦労したみたいだそ、産まれて直ぐに養女に出され、一般家庭で育ち‥確かに素質はあったのかも知れないが、高校は‥こちらで言えば通信制みたいな場所で、卒業単位を取っているんだ、裏に何があったのかは知らないがな」
あの時、早乙女氏からああ言われて、逆に少しだけ調べる気になってしまった。
0才‥生後1ヶ月もしない内に、日本の一般家庭に養女に出され…
小中学は普通、高校は初め名門私立に合格し入学したようだが、途中で中退し、米国的に言えば落ちこぼれが集まるような学校に編入。
通常3年を4年掛けて卒業‥この辺りで早乙女氏の方に移り住んだ‥らしい…
あの話だけで、書類上は何も分からなかったが……
そして、米国に来る直前に漸く今の戸籍に…
見た目以上に苦労しているぞ、あのお嬢さん。
多分、気付いていて何も言わないんじゃないか?
あの性格なら、ありえそうだ。
「・・随分詳しいわね…
普通、そこまで調べる??」
「少々用事があったから‥とでも言っておくか…
詳しい内容は君には関係無い、約束は果たしているんだ、これ以上関わる事も無いさ‥俺は……」
「・・・・・」
こうでも突き放しとかなければ、後々困る…
俺個人のお人好しで、内定は取ってやったが、これ以上は本当に仕事、子供の相手をしている場合じゃあ無い。
「じゃあなキャロライン、本採用になる事を祈ってるよ俺は…」
「・・・ふんっ!!」
突き放したんだ、当然の反応だよなぁ…
まあ、彼女の事はこれで良い…
後は本当に自身の力次第‥才能があると思ったから仲介したが、女史と同じような気質の彼女が、社会に適合するのは、なかなか難しいだろう‥そこまで言う気は、俺には無いがな。
・