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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第9章 Witch of the fingertip-指先の魔女-



「・・どうぞ……」


研究室に入った後、お嬢さんは備え付けのポットでコーヒーを淹れてくれた。



「此処って、ポットしか無いの…
ホットコーヒーが嫌いなら、ごめんなさい」


「いや、嫌いじゃ無いが…
お嬢さんはアイスコーヒーですね?」


「ええ、何時も購買から…
癖なんですよねアイスコーヒー、飲んだら頭がはっきりするようで……」


端末前の椅子に座りながら、アイスコーヒーを一口…
なる程‥キャロラインが簡単と言ったのが良く分かる、ほぼ毎日こうしてアイスコーヒーを飲んでいるから、睡眠薬を入れやすかった。



「ともかく、契約内容を確認して頂けますか?」


「はい……」


契約書を受け取り、真剣に見始めたお嬢さん…
そりゃそうだ、一番初めに米国‥ホワイトハウスの紋章と、トップシークレットの文字。


この契約は、あくまでも秘密裏、日本の‥早乙女家のお嬢様が、ホワイトハウスに関わっている事実の露呈を避けたい、国家的は政略の表れ。



「登録もWitch of the fingertipで…
少し不自然じゃ無いんですか?」


「アドバイザーが、全員本名を明かしているとは限らないから、特に問題にならない‥ただ…」


「…早乙女が米国に関わると考えた方が、政治的に都合が悪い…
早乙女は日本の政治でも、間接的発言権を裏で持つから」


「・・その通りです…
外務省辺りが五月蝿く言って来たんで、形式上"指先の魔女"で登録‥それで何とか折り合いが付いたんです、しかし政治的な方も良く知ってらっしゃる」


「1年‥東大教授の元で、政経学修士過程を学びましたから」


東大?
日本の東京大学か??


確か、日本で一番学力の高い大学…
その教授から、政経学を学んでいたとは‥しかも飛んで修士過程。


1年で修士過程をクリアーするのは、かなり無理がある…
このお嬢さんだからこそ出来た事だろう。


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