この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第9章 Witch of the fingertip-指先の魔女-
「上には上が居る…
その犯人も、既に殺されていた後だった……
じゃあ、何の為に必死に頑張ったんだ??
既に政府機関に取り込まれいた少年は、後戻りをする事は出来ず‥ただ惨殺と言うトラウマを抱えたまま、年を取って行くだけ‥心の解決方法を見付けられずに……」
「・・オリバー‥さん……」
少年が青年になっても、まだ精算出来ない心の傷…
オリバーさんは、ぁたしの心の傷も、途方も無い時間が掛かると言いたいのかな??
「すみません、少し余計な話が過ぎました…
だけど、心って‥そう簡単に精算は付かない……」
「・・そうですね…
精算が付かないんでしょう、忘れた筈なのに、こうして思い出すんですから」
今でも、はっきり思い出す…
彼奴にやられた数々を……
「・・・
別に‥忘れなくても良いんじゃ無いんですか?
逆に、心にあるからこそ、自身の飛躍的進歩の為になる‥‥まあ、人それぞれですがね」
「飛躍的進歩…」
彼奴の事が、ぁたしを成長させた?
人並み以上に、冷たい考えにはなったよ、ぁたしですら驚くくらいに…
あの頃のぁたしは、どこか客観的に物事を見ていた‥彼奴を堕とす事を考えて……
ぁたし自身も傷付いた、だけど彼奴を高見から打ち落とす方法も、同時に考え‥結果的には何も見付けられず、紀永の策に乗った‥それが一番有効的だと思ったから。
だけど、ぁたしの心は?
紀永が全部片付けてくれたと言っても、ぁたしはまだ割り切れていないんだと思う。
飛躍的進歩の前で、止まってしまったぁたし…
この心の傷から、抜け出せる日が来るのだろうか??
オリバーさんみたいな考えには、まだなれない…
やっと自覚したくらいだもん、これから考えなくちゃいけない。
・