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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第9章 Witch of the fingertip-指先の魔女-
「・・・
あれ?
オリバーさん、シャワーじゃ‥あっ髪は濡れてる・・」
「??
何か変??」
俺‥なんかドジった!?
ちゃんとシャワーは浴びたんだが??
「いえ…
ただ、シャワーの筈なのに、ちゃんとスーツを着ているから」
「・・!
ああー!!
仕事の癖だなぁ…
スーツ姿が基本だからつい」
「なるほど……」
俺自身、馴れと癖で普通と思っていたが、こう見たら変か…
仕事上、スーツのジャケットを脱ぐ事は殆ど無い、勿論意味はある。
それにしても、なるほどと言った後、彼女は何も話さない…
それに、電話での嬉しそうな声が別人と思える程の沈んだ顔‥シャワーの間になにかあったか??
「・・どうかしたんですか、美紀さん??」
「えっ!?」
「随分浮かない顔をしている」
「えっ…
あっ‥‥‥うん・・」
少しばかり驚いた顔をして、何かに気付いたように、自分で納得してしまった。
もしかして‥無意識??
「・・少しだけ‥‥ホームシックかな?
日本に電話していたから」
「早乙女氏?」
「うん…
たまに日本語で話したら、やっぱり……」
そりゃ、彼女の母国語は日本語だ…
幾ら英語が達者とは言え、日本語で話せば里心くらい出るのは当たり前‥遠過ぎる日本に……
「誰でもホームシックはあるんじゃないかなぁ…
美紀さんの場合留学なんだし、日本が恋しくても不思議じゃあ無い」
「そうかな?
‥‥‥うん‥そうかも」
「全く環境が違うと思いますしね…
里心や人恋しいって感覚は、普通だと俺は思う‥それは、日本人も米国人も変わらない」
「うん‥みんな同じ人間だよ……」
今度は、日本を思ったのか寂しそうな顔…
こういうところは、20才の普通の大学生だと思うぞ俺は……
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