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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
会場を回りながらも、俺と櫻井は密に連絡を取り合っている…
基本2人行動、俺と組んだのが櫻井で、日頃から仲も良いからやりやすい。
シャンパンを乗せて会場を歩けば、目で寄越せと訴えてくるのや、歩きざまに勝手に取って行く者と人様々。
総じて言えば、偉い輩は偉そうに勝手気まま、立場上そうなんだとは理解しているが、あまり良い気分にはなれない。
「・・・
1つ貰えるかね?」
「どうぞ・・・」
珍しい、わざわざ声を掛けてグラスを取るのが居た…
それも壁際に張り付いて動かず‥身なりからして大物の感じはするが、会談や交渉をする素振りも無い。
(・・見た事が無い顔だが、不思議な貫禄がある)
何だろう?
人を従わせる‥違うな、自然に人が従う雰囲気…
長身で穏やかそうに見えるが、眼光は鋭く壁際からパーティー全てを見ている感じがする。
何者かは分からない、だけどただ者でも無い、そんな感じを受けた…
ただ今の俺は、何時までもジロジロ見ている訳にもいかず、気にはなるが移動して櫻井と合流。
「なあ黒崎…」
「なんだ?」
「やっぱり黒崎が言ったように、あれは主任じゃない?」
「・・・え??」
「近くを通り掛かったんだけど、眼鏡を掛けて髪型も少し変えてるけど‥主任だったと思う」
「まさか…
早乙女の血縁だろ?
主任は違う筈だ」
「でも俺達って、主任の家族構成すら知らない、主任はそういう事は一切話さないから」
確かに主任からプライベート‥家族の話は一度も聞いた試しが無い…
そういう話の時、主任は何時の間にか居なくなっているのが普通で、気にも留めていなかった。
「・・もう少し近寄ってみたいな櫻井」
「回っていれば、近寄れるんじゃないかな??」
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