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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
どうしよう…
会長から絶対に1人にならないって念を押されているのに、伊織さん慌てて行ってしまった。
今のぁたしは早乙女のお嬢様、簡単に彼方此方と歩く訳にもいかない。
それに……
「・・・・・」
一見華やかなパーティーだけど、その裏って結構黒い…
挨拶回りをして気が付いた、此処に来てる人はぁたしを見ているのでは無くて、ぁたしの後ろにある時期後継者候補それを見ている。
今のぁたしじゃ間違い無く候補とは縁遠い…
何も知らない深窓のご令嬢をしているから。
だから、エスコート役の伊織さんに目がいく…
自然に考えて、伊織さんがぁたしの婚約者候補と見られ、さり気なくかわすぁたしより、伊織さんの実力を見ようと目を光らせている感じ。
米国で随分鍛えられたよねぁたし…
ホワイトハウスなんていう真っ黒な場所に出入りしていると、自然にそういう裏側を見る事が出来るようになった。
多分‥ぁたし、顔はこれ以上ないというくらい、にこやか穏やかに笑っているけど、目だけはとんでもなく冷たい目をしてると思う。
挨拶する人の度に、敵か見方か、良い人間か悪い人間か、嘘か本当か‥その人の表情や話し方…
全てを観察しているぁたし……
まるで人形に戻ったよう…
そう、付属高の頃の『秀才のお嬢様』に戻った感覚‥他人を冷たい目でしか見れなかった、過去のぁたし。
身にはなったけど、ぁたしは‥このぁたしが嫌い…
言いなりで、勝手に作り上げられた嘘のぁたしだし、人を謀る物としてしか見れない嫌なぁたしの姿。
(最近は無かったのに…)
早乙女邸に行ってから暫く経つまで、ぁたしはずっとそんな感じで人を見て……
やっと心の奥くらいには沈めていた感覚…
それを今更……
(・・考える前にどうしよう)
伊織さんは行ったきり、社長は誰かと話していて、割り込める感じじゃない。
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