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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー



(どうしようも無いなら、会長の方でも良いって…)


1人は不味い、それは説明で嫌な程分かってる…
でも、招待客を装っている会長に近付いて良いの?


早乙女会長とバレない為なのに、ぁたしが側に居たら間違い無く勘ぐられるし…


(だけど……)


普段のぁたしなら、1人で平気だよ…
でも、今日のぁたしは少しだけ不安要素もある。


このまま1人で居たら、余計なのに声を掛けられる…
切り抜ける事は出来るけど、後で伊織さんと辻褄を合わせるのが大変‥だって、個人的に話す暇すら無いから。



(・・うん、会長の方に行こう‥それが一番良い選択だよね?)


話をしていると見せ掛ければ良い…
招待客としてなんだし、主賓が招待客に挨拶するのは普通の事だから。


そう心に踏ん切りを付け、会長が居る会場の隅の方へと向かった。







シャンパングラスを窓部に置いて、ぁたしはこの男を誘惑する為に、さも魅惑的に笑う・・



「シャンパンはお嫌いだったかしら?」


「・・いや……」


「少しはお酒より私を見て……」


仕方無くと、こちらに振り向いた男に笑い掛け、ぁたしは男の身体に身を付ける・・



(意外に鍛えているわ…
でも、こういうのは嫌いじゃないのよ)



男の胸に手を掛け…
此処からがぁたしの本領発揮……



「こんな退屈なパーティー抜け出さない?」


「・・退屈かね?」


「ええ退屈…
お人形様の御披露目だもの、遠筋の私達なんて声も掛けて貰え無いわ」


「そうか…
早乙女の外戚……」


「そうよ、日本じゃ無く香港だけど…」


「・・・
劉氏のご令嬢、確か愛鈴という名前だったね?」


「良く知ってる…
貴方も早乙女の外戚?」


「・・どちらでも・・・」


香港と言っただけで、パパのところに行き着いた…
という事は、早乙女でもクラスター社関係‥やっぱり良い男を捕まえたみたいね。


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