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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第13章 窮地と救援

「1時間以上だな…」
「ああ・・・」
何も出来なく、ただこうしてソファーに座り待つ事1時間以上…
中から特別大きな音がする訳でも無く、ただ時間ばかりが淡々と流れて行く。
途中で伊織がコーヒーを淹れ、既に冷めてしまった物を一口飲みながらも、心の中は不安と後悔でいっぱい。
(・・結局のところ、美紀は自分で救援を呼び掛ける事を選んだ・・)
あの馬鹿者共から美紀を助けた私達だが、男共より打たれた薬の方が強力という最悪の事態。
そんな中、主治医との話を朧気ながらでも聞き取り、自身の判断で米国と繋ぎを取った。
私達では、こうはいかなかっただろう…
美紀が持つ権限と、裏方のオリバーの手際の良さ、この2点が米国を‥在日米軍をスクランブル発進並の速さで動かした‥私では出来ない事だ。
「それでも、未遂で良かったと思わんか紀永?」
「・・未遂で無かったら、全員海に叩き込んでいる」
「全く過激な……」
「叔父に言われてもね」
先ほど、葉山の部屋で男共の口を割らせようとした叔父の行動は‥‥まあ、私が言っても詮無き事か……
「輸入船に忍び込ませて…
変わらず貿易関係はガードが甘い、それにしても入手困難なドラッグを良く手に入れたものだ」
「そっちの経路については?」
「口を割らん…
不味い事があるんだろうな‥‥命に関わるような何かが……」
「なるほど・・・」
口封じは常に周りに居る、それも簡単に消せる場所に…
未遂で捕まったと知れれば、相手は手を下す事を考えるだろう。
彼奴らに手を貸す気は全く無いが、丁度良い方法を思い付いた。
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