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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第13章 窮地と救援

ハリス・ビーは、後で別の者が来ますと言い残し、何事も無かったように撤収した…
そう‥何事も無かった、米国はそういうスタンスを取りたいのだろう。
「・・まさか軍に預けるという選択をするとは…
本当に人が悪くなったな紀永??」
「対価は必要と言った筈、それにこのまま開放しても、バイヤーに捕まるか消されるかするだろう…
それならば、少しは早乙女の役に‥米国に借りを作らない餌にしたまで‥‥正当な対価だと思うがね」
流石の叔父も呆れているが、私は妥協する気は無い。
開放したところで、また余計な手を使わないとは限らないのだ…
美紀の障害になりそうな者は、徹底的に排除する‥‥例え廃人になろうとも……
生きてさえいれば、体裁だけは保てる、それで上々文句無し。
「その冷酷さが、俺以上に会長に合っている‥そう見込んだ目は確かだった…
誰もお前には適わんよ」
「叔父に言われてもね…
私は必要以外手は出していない」
「俺か……
近頃は、常務派との攻防戦くらいだ、向こうもしたたかに動いているからな…」
「あれは変わらず…
行動は把握しているのだから、何時か一掃するよ」
先代からの悩みの種、割とワンマン経営だった先代に反抗したのが常務派の始まり。
今はかなり趣旨が変わってしまったが、過去の派閥がそのまま根付いてしまっている。
「・・ともかく、後で引き取りに来ると言うのだから、私は着替えて少し休む…
伊織も、そろそろ叔母を宥め終わっている頃だろうしね」
「まぁな…
とりあえず、この堅苦しいタキシードは着替えんと話にならん…
俺も次まで部屋に戻ってる」
ヘリが何時間後に来るのかは分からんが、美紀が安定している今、こちらも着替えと休息くらいは必要。
叔父も割り当てられた部屋に引き上げ、漸くタイを外し深い溜め息を吐いた。
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