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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第15章 憩いと1つの願い



「スケッチブック持ってくれば良かったかも…」


この数年、絵は書いていない…
書けないんじゃなくて、書く暇が無かったから。


今日くらい書いても良かったかな?


この別荘と別棟では、微妙に位置が違う、海と緑‥どちらも書けたのに…



「前は此処にもあったのだが、今画材道具は全てアトリエに置いてある…
私がアトリエでしか、絵を書かなくなってしまったのが原因だが……」


「此処でも書いていたんだ…」


「まあね……」


アトリエ以外で、画材道具って見た事が無い…
屋敷の中にも一切‥‥紀永なりの区切りなんだと思う。



(・・・
ぁたし‥取り留めない話ばかり……)


せっかく紀永と2人きりになれたのに、ぁたしはギリギリで勇気が出せない。


もし、拒否されたらどうしよう‥そんな事ばかり頭に過ぎる…


お願い聞いてくれるとは言ったよ‥けど、紀永はぁたしがこんな事を考えているなんて知らない。


ぁたしの願いは‥‥


直の紀永を感じる事‥


そう‥親子という間柄上、絶対に必要なゴム無しで、そのままの紀永と繋がりたい…
一度で良いから・・・


その為にオリバーさんにお願いした、日本で‥吉田の奴に脅されていた頃に服用していた薬用ピル、それを手に入れて欲しいって…


まさか、ドラッグのせいで効果が切れているかもと言われた時は焦った…
服用直ぐは不安定だと知っているし、昨日から再服用じゃ日数的に間に合わない。


でも、オリバーさんは新薬のピルを置いて行ってくれた…


内容確認をしたら即効性に近く、持続時間も長い、そして実験データー上は、避妊率ほぼ100%という、現状なら一番強力な薬だと思う。


そこまで準備をしたのに、揺れるぁたしの心…
紀永とゴム無しで繋がった事は無い、大丈夫と言っても必ずゴムを使う‥それが課せられた義務のように……


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