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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第16章 終章ー紀永の思い



「また‥ですか?」


「・・伊織か‥‥」


私を確認した後、ゆっくりと身を起こし、片膝を立てて目は海を見たまま。



「昨日も言いましたが、せめて日陰で休んで下さい」


「分かっているがね…
たまにこう日差しを浴びるのは気持ち良いものだ、普段が普段だからね」

「・・・・・」


殆ど屋敷から出ず、最近はアトリエにすら行って無い…
外出と言えば本社程度で、好んで外出しようともしない。


美紀様が屋敷に居れば、もう少し外出するのだろうが、生憎美紀様は留学中、それももう少しの話だが。



「・・叔父1人ですか?」


「ああ…
私が起きた時、美紀はまだ眠っていたからね、もう暫くそっとしといてあげてくれ……」


「そうですか‥‥」


美紀様も朝は早い方…
だと言うのにこの時間まで眠っているとは‥‥あまり邪な想像はしたくは‥無い・・



「座らんか?
丁度伊織にも話があったんだ」


「私に‥‥ですか?」


こう言われたら、座らない訳にもいかない…
渋々ながらも紀永叔父の隣に腰を下ろす。



「・・・
さて、何処から話せば良いのかね・・」


「・・・・・」


海を見詰めて、話す事柄に思案しているよう…
私の方に振り向く事無く、ずっと海を見詰めている。


こうして見ると、紀永叔父は年齢以上に若い、私と同じくらいと言っても通るくらい…


若作りとはまた違う、素のままの紀永叔父の姿…
早乙女会長をしている時と、まるっきり違う穏やかな性格‥‥こちらが本来なのは私も知っている、立場上作っているだけな事も……



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