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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第16章 終章ー紀永の思い
「・・・・・
今のまま10年20年と続けば良いのにね・・」
「叔父??」
一体何を??
紀永叔父は海を見詰めたまま・・
「少し考えるのだよ…
今は良いが、10年20年‥‥私が美紀をずっと縛っていていいものだろうかと・・」
「・・・・・」
「美紀だとて将来がある、今でさえあの調子だ、これからまだまだ伸びるだろう…
そして‥いずれは後継者問題も……」
「それは・・・」
紀永叔父の言い分は正しい、こうして会長の娘として御披露目も済ませてしまった以上、後継者問題‥つまり婚約者や婿の話は必ず浮上する。
「今回は伊織のお陰で上手く行ったが、それだとて何時まで保つか分からない…」
「私は‥お手伝いしただけです・・・」
「・・叔母に伊織を出す為に‥‥伊織を婚約者候補として‥‥こう話している・・・」
「・・・っ!?」
祖母と紀永叔父が裏でそんな事を!?
だから祖母は‥‥私が早乙女筋として出る事に同意した…
本家婚約者候補という提示に、祖母が乗った‥そういう絡繰りだったのか。
「まるっきり嘘を吐いたつもりは無いよ…
長く考えれば伊織が美紀の婿に‥悪くない組み合わせと思うが?」
「・・・・・
美紀様や私の意志を無視してですか?」
私はともかく美紀様は…
紀永叔父しか見ていない美紀様に、他の男など有り得ない話。
「美紀の方は分からんが‥‥
伊織の気持ちに気付いていない私だと思うかい?」
「・・・・っっ!!」
気付かれていた…
私の思いを紀永叔父に……
いや、此処は冷静に…
お2人の邪魔をする気は私には無い、普通に‥何も無いように接しなければ・・・
「・・私には分かりかねますね…
何時かはなんて事もあり得ないでしょう、美紀様は叔父しか見ていませんから」
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