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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第16章 終章ー紀永の思い
はぐらかされた‥‥か‥
伊織らしいと言えばらしい…
本心は心の中に、だがその危うさに伊織は気付いているのかどうか……
「今直ぐとは言わないよ…
私だとて、そう簡単に美紀を離す気は無い……
ただ、こういうものは、私に何かあってからでは遅い、だからこそ今の内に伊織に話そうと思った」
「・・とは言われましても・・・」
「当面は御披露目通り、伊織に目が行ってしまうが、そこはすまないと思ってはいるよ…
だが、いずれは伊織を本格的に婚約者として、美紀に話は持っていくつもりだ」
「しかし・・・」
「ずっと私が付いてあげられれば良いのだけどね…
現状を考えれば、早乙女の中での美紀の立場は危うい、本家唯一の後継者候補で女性‥‥
船上パーティーでも分かった事だろうが、何処で美紀を狙っているか分からん今、強力な後ろ盾は必要なんだよ」
その点、伊織なら強力な守護者になれる…
外戚扱いだが本家直系、そしてクラスター本社での立場、私の第1秘書という近さ……
何よりも、私も美紀も伊織を信頼しているのが一番の決め手。
今直ぐどうこうでは無い、ただ早い段階で内々に決めておきたいだけ…
本格的な話なぞ、かなり先の事になるだろう。
(そう言えば、もう1つあったな・・・)
オリバー・スミス…
明確に立場を明かしていないが、あの手際の良すぎる対応、そして……
(普通ボディーガードが、あんな動きをする事は無い・・)
銃口は心臓に合わせていた‥少なくとも私からはそう見えた。
訓練されたボディーガードが、無闇に人を殺す事は無い、それは日本も米国も同じ。
それなのに、あの男は最終的にはズラしたが、初めから殺す勢いで、躊躇い無く心臓に銃口を向け‥‥個人的感情が入らなければ、あんな事はしない‥私の感でしか無いが、多分当たりだとは思う。
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