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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第16章 終章ー紀永の思い



(あの男が米国政府のものでなければ……)


今の美紀を見ていると、伊織も信用しているが、オリバー・スミスの方が信頼度は大きい‥そう見る。


だが、オリバー・スミスには制限があり、美紀の帰国に合わせ、ボディーガードから外れる可能性が高い。


不確定要素で美紀を任せる訳にはいかない…


本音を言えば、私や伊織よりオリバー・スミスの方が美紀に随時張り付いていられるし、美紀もあの男相手は気楽そう。


客船に来た時、話は聞けなかったが、あの美紀の大声で容易に想像出来る事…
美紀があんな声を上げるのは、余程信頼している証‥‥伊織にすら大声を上げる事は少ないと言うのにだ。



「・・今は話だけで十分…
まだ時間はあるのだから・・・」


そう、不確定要素も含め、まだ考慮時間はある…
ただ、伊織の意志を確認したかった‥はぐらかされたが、驚きと動揺はしているよう、今のところはそれで良い・・・・・








「・・心の隅にはしておきますが、私がというのは無いでしょう…
ただ、ああして出てしまった以上、矢面に立たされるのは覚悟の上‥‥何時かはバレていましたから、好条件でバレらして頂いた、そう思っています」


私にはこう言うしか無い・・・


紀永叔父の思惑も、祖母の思惑も、私に取ればあまり関係ない事。


だが、美紀様を守るという意志はある…
守れればそれで良い、どんなに思っても、それ以上望んではいけない。



(お2人を一番近くで見ていたのは‥‥私)


どれだけの思いで覚悟し、今の関係になったのか私は知っている…
どんなに恋い焦がれようとも、絶対に手に入らない存在‥それが美紀様。


触れる事すら叶わない存在‥そう私は船上パーティーで、美紀様の手にすら触れていない‥触れる事が出来なかった。


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