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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第3章 海外留学



「・・紀永?」


「ん??」


やって来たのは紀永の執務室、午前中だから紀永は仕事中。



「やり残し片付けようと思って…」


「別に無理してやらなくて良いのだよ?」


「もう少しだから…
今日明日で終わるよ」


「そうか……」


すっかり馴染んだ、執務室のぁたしの居場所…
暇な時や、紀永が忙しい時なんか良く手伝っていた。


広い紀永のデスクの横にあるぁたしの席…
そこに座り、何時ものように端末を立ち上げる。



「導入から1ヶ月だもの、そろそろ全てのチェックを終わらせないと…」


「すまんね最後まで、流石にOS更新は遠藤では無理だからね」


そう、4月の新年度にOSを世の状況に合わせて最新にアップ…
それに不具合が無いかチェックをしていた訳。


既存のOSじゃ無く、紀永自身が作っているから、外にチェックを頼める筈も無く、更新の度に紀永が余裕のある時間にチェックをしていた。


今回はそれをぁたしが請け負った、丁度東大入試も終わった頃だったし、紀永のプログラムは全て把握済み。


ぁたしも1年で随分腕を上げたなぁとは思う、全ては紀永がくれた参考書のお陰だけど。



「えっと…
最下層の……」


殆どのチェックは終わっていて、小さな不具合も修正済み…
残っているのは後少しだけ、だから全てやってしまおうと思った。



「相変わらず手早い…」


「そんな事無いよ…
まだまだ紀永には追い付けないもの」


実力は紀永が遥かに上、幾ら紀永が勉強した参考書を貰ったって、やってる年数と此処まで確立した実績には、ぁたしが追い付く事なんて無い。



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