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【寝取られ】喰われる彼女 亜紀
第13章 【寝取られ】喰われる彼女 亜紀(13)
「おーい、氷買ってきたぞぉ!」
そう大きな声で言いながら両手に買い物袋を持った牧原達が部屋に入ってきた。
「わぁ、ありがとうございます。熱も上がってきちゃって、今丁度欲しかったんです。すみません、何から何まで……」
「ハハッ、気にする事ないよ亜紀ちゃん。あとさ、飲み物も買ってきたから。」
「ありがとうございます。あの……いくらくらい掛かりました?」
「いいよいいよそんなの、大した事ないから。」
亜紀はやたらと親切な牧原達に何度もお礼を言っていたが、俺はコイツらに対してそこまで感謝の気持ちは抱けなかった。
助けてもらったのは事実だけど、そもそも牧原達があんな沖の岩場に行こうなんて言い出さなければここまで体調を崩すことはなかったんだ。
それに牧原達の目は、なんだか倒れた俺の事を嘲笑っているようにも見えた。
亜紀には分からなくても俺には分かるんだ。
コイツらは口では親切ぶった事ばかり言っているけれど、本当は心の中では俺を馬鹿にしてるんだ。
「まぁとにかく直樹はちゃんと寝て、しっかり風邪治せよ。俺達もそのためなら何でも協力するからさ、な?」
「……。」
俺は牧原に声を掛けられても不貞腐れたように布団の中に潜って黙り込んでいた。
「それより亜紀ちゃん、俺達これから美味しいハンバーガ屋に昼飯食べに行こうかと思ってるんだけど、亜紀ちゃんも一緒にいかない?」
「え、美味しいハンバーガー屋さんですかぁ。」
「そうそう、その店のハンバーガーはここに来たら絶対食べといた方いいよ。直樹ももう寝てるみたいだし、亜紀ちゃんもここにずっと居てもつまんないでしょ?だから行こうよ、ね?」
まだ寝てねぇよ。
でも美味しいハンバーガー屋か、亜紀は行きたいだろうなぁ……
亜紀、行っちゃうのかな……
「でも……うーん……まだちょっと直樹が心配だから。もうちょっとここに居ようかな……。」
亜紀……
俺は亜紀のその優しさに感動すら覚えていた。
こんな彼氏でも、まだそんなに心配してくれるなんて……