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【寝取られ】喰われる彼女 亜紀
第15章 【寝取られ】喰われる彼女 亜紀(15)
「直樹、身体の調子どう?良くなった?」
俺は亜紀に声を掛けられても昨夜と同じく、また拗ねた子供のように寝たふりをしてみせた。
幼稚な行為だと自覚しながらも、今の俺には嫉妬を隠すためにそれくらいの事しかできなかった。
牧原達と楽しく過ごしてテンションの上がっている亜紀と今の俺では温度差があり過ぎる。
そんな亜紀と会話なんてしたくなかったんだ。
「直樹、寝てるの?」
「……。」
目を閉じた俺の顔を覗き込んだ後、亜紀は何も言わず部屋を出て行った。
「寝ちゃってるみたいです。」
「そっか、そのまま寝かせておいた方がいいよ。風邪治すには寝るのが一番なんだから。」
「……そうですね。」
「それより亜紀ちゃん、夜はどうする?食事とか直樹とどっか行く予定あったの?」
そうだった。
今日もレストランの予約はしてあるんだった。
目の前でステーキを焼いてくれる店。
お手頃な値段で美味しい肉を食べられるとの評判をネットで見て、亜紀と2人で決めたんだ。
「あ、はい、一応……でもどうしようかな……直樹は消化の悪い物は食べられないだろうし。」
確かに、胃腸風邪を引いているのに脂の乗ったステーキなんて食べたら消化不良を起こすだろうな。
また店で倒れて亜紀や牧原達に迷惑をかけてしまうかもしれない。