この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
神は現で夢を見る
第2章 漆黒の乙女と薬師

ゆっくりとした動きから、段々性急な動きへと変化していく海の動き。


それに重なる囀りと、スプリングの軋みは、肌を打つ音と共に重なりあって、夫婦の当然の営みを否応なく際立たせる。


夜の続く限り。


時の許す限り。


2人は、互いの愛を感じ合い、確かめあった。




「かい…………さま……… 」


「なぎっ………… 」


「愛して下さって、ありがとう御座いました………… 」




それが、今生の凪の最期の言葉だった。




新たな凪が誕生したと、晴明から知らされたのは、海の愛した凪と別れて、ひと月後の新月の夜だった。




今でも鮮明に思い出す。


晴明屋敷の門の前。


手を振る凪が唇を動かして、深々と頭を下げるその姿。




「私の事を愛してくれてありがとう。新しい私も、沢山愛してあげて下さいね………… 」




凪は、そう言って微笑んだ。




「そう言って、笑ったんだよ。俺の妻は。凪は…………。新しく妻を迎えろと、あいつはそう言ったんだよ。そう簡単に、気持ちの切り替えが、きくと思ってんのかね、本当にあいつは………… 」




一カ月前に最愛の妻と別れた海は、同じこの場所で晴明に訴え掛けていた。


晴明は鬼では無い。


式を操る陰陽師で有り、凪の父親だった。


逸れを踏まえて海は言い放ったのだ。


先程の言葉を。


気心の知れた友人に。




「でも、海は来た。あの子の思いに応える為に…………だろ? 」

/28ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ