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神は現で夢を見る
第2章 漆黒の乙女と薬師
「ご、ごめんなさい!! あたし、空気読めないと言うか、がさつと言うか、その……… 」
「良いよ。気にしてない。実感しただけだから……… 」
そう言うと、海は凪の頬に愛おしそうに触れた。
「つっ………///…… 」
触れられる事を恥じらう凪。
人に余り触れられた事が無いのだ。
男の人なら、父の晴明くらいしか居ない。
ましてや、相手が男女不明な海なら尚更だ。
「ねぇ、俺が男か、女か、解らないって言ったよね」
海の言葉に、凪は素直にコクンと頷く。
ある意味、純粋培養されたと言うべきか。
「じゃあ、解るような事、してみる? 」
「……………解るような事? 」
「そう。男と女がする事。……………凪は、自分の番が誰か、知ってる? 」
だからこう言われても、凪としては、皆目見当も付かない。
海が、目を細めて口にした言葉。
其処に、どんな真意が在るのか。
もう、18になる凪だが、一向に理解出来なかった。
「凪の番は、『薬師』名は『海』」
「えっと………。その名前なら、とうさまから聞いています。あたしの夫に成る方だと……… 」
「それが、俺だと言ったら? 凪はどうする? 」
「えっ……あええっ!? 違いますよね、」
こんな綺麗な方だとは………と、最後には小さく囁いて、凪は、ずずっと後退りした。