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資料室の恋人
第1章 いつもの場所
「三木さん、どっちがいい?」
「…何で買ってきたんですか?」
「欲しそうにしてたから……あれ、違った?」
いえ、と言ってお茶を受け取る。
そんなに羨ましそうだったのかな?
確かに、喉は乾いていたけど。
「ありがとうございます。でも資料室出てからですよ」
缶コーヒーのタブに指をかけ、飲み口を開けようとする佐倉に言った。
「え?」
「ここは飲食禁止だから」
え~、と佐倉が残念そうに笑ったので、日和もつられて笑った。
週1回のこの数時間が出来るだけ長く続けばいいなと日和は思った。